目次
敵も味方も疲労する
脳と精神の疲労
皆さんスポーツはしますか?
野球やテニスといった短時間に一気に動くもの、ランニングやサッカーのように長時間動き続けるもの
そして例として、ランニングで10km走るとなったら皆さんどのくらいの速さで走りますか?
まさか開始早々全力疾走して一気に10km走りきろうと考える人はいないと思います。
もちろん自身の体力を考えて10kmに到達する前に疲労困憊にならないようペースを考えますね。
体を動かす時は疲労については事前によく考えることは確認できました。
では、脳と精神の疲労についてはどうですか?
生活していく上でただ体を動かしているだけではいきません。
時には考え不具合の対処法を考え、増える不安に耐えるため精神を強く持たなければなりませんね。
脳と精神も酷使することでもちろん疲労は溜まります。
この疲労は10km走ろうとした時にみたいに事前にペース配分を決められるでしょうか・・?
おそらく週末にリフレッシュするという回復法を考えるのが精一杯では無いかと思います
最初はノリノリでも・・
戦争論の内容にこの疲労について言及している箇所があります。
戦争が始まるとその国の国民は最初、不安と思う者はもちろんいますし、「我が国は強豪だ!必ず勝つ!」と勝利に向けて意気込む人もいます。
そして注目してほしいのが人間は戦争というものはすぐに終わると思いこむ傾向があること
です
歴史に於いて長い戦いがあることを知っていても我が身に降りかかる影響は短期間と思いたがる傾向があります。
その証拠に、戦争被害から逃れる為、海外の親戚の家に避難するときもわずか1、2週間分の準備しかしないことが多いです。
それほどまでに、すぐに攻撃が始まって短期間の内に勝利を手にするだろうと考えてしまいます。
しかし、戦争とはそんな簡単なものではありません
作戦立案・調査に、武器の調達や移動といった準備など複雑で不安要素が多い中で実行されるため、一朝一夕で済むものではありません。
そして長引けば長引くほど国民の財産が失われるなどで精神的疲労が溜まり、いつ終わるかわからない不確定要素を日を跨いで考え続けることになり脳の疲労もピークに達します。
終いに、こんな馬鹿馬鹿しいこと、勝っても負けてもいいからさっさと終わりたいと思う気持ちになるのも心情と言ってもいいでしょう
それでも組織は疲労し続ける
国民がさっさと終わりたいと思えば戦争はすぐにでも終わるのでしょうか?
答えはNOです。
例え、国民の敵国に対する敵意が無くなったとしても作戦本部や上層の人間の敵意は簡単に消えません
それも敵国の国民が疲労していても同じ
お互いの上層の敵意が消えない限り戦争は続きます。
敵意というのはそう簡単に解けない面を持っているのです
その面もあり、組織を成功させる者は人間の生理を熟知して部下(国民)や他人(同盟国)を上手く動かせる人間ででないと成果が上げられないとされています。
戦争でも国民の疲労を対処して、反乱などが起きて敵国との戦闘どころではなくなり、みすみす勝てる可能性を潰さないようにするかが上層部には求められました。
もちろんただ精神論だけ振りかざしたり、物価上昇を長引かせて国民の生活を困難にし続けたある国は負ける結果となりましたが・・
敗因は疲労!?
疲労するのは投資家本人のみ
繰り返すようですが投資における兵士(国民)はお金です。
幸いにもお金は疲れることもなく、作戦を無視したり、デモなどで反旗を翻したりしません
兵士→運用資金(レバレッジも含む)
将士→投資家
君主(無借金の個人投資家なら無し)→会社や金融
今回は君主のことは無視してもらって大丈夫ですよ
将士である投資家と兵士であるお金、脳と精神について考えるのは投資家本人だけで大丈夫です。
ファンドや仲間と一緒にやるとなればまた話は違ってきますが、今回は個人投資家一人としてのみ考えさせていただきます。
日常生活でのダブルパンチ
投資家で一番精神的に疲労するのは、言わずも下落している時のような含み損が増えたり、ポジションを取っているのに全然値動きがしない時だと思われます。
売買後に逆の動きになってしまう可能性があるのは皆考えられるものの、それがどのくらい続き、どれほど不確定要素が増えるかは完璧に予測はできません
どれだけ想定外を無くそうとしても完全に無くならないのが世の常です。
予想とは違う動きになっても最初は意気揚々と「まだまだ大丈夫!」としていても、思った以上に長引けばボクシングのボディブローのようにじわじわと痛みが溜まっていきます。
また想定外のことが起こるとその度に心の持ち用を考えたり対策をしなければいけません。
これも数が重なるごとでどんどん痛みが溜まっていきます。
こうして脳と精神の疲労が蓄積していきます。
ランニングのようにあらかじめコースや距離、ペース配分が決められないため非常にやっかいです。
ここに日常生活の疲労やストレスも一緒に襲いかかり必ず対処しなければなりません
それも日を跨いで疲労は残り続けます。
本当に間違っていたのであればすぐに損切りするのが得策ですが、自信があること故、耐える必要なことこそ脳と精神の疲労のペース配分の不確定さに視点を向けないといけないのです。
感情的にどうなるか考え抜く
対策について極論を言うと何も見ない。つまり気絶です(笑)
ただ、本当に危険な時を思って皆さん株価などをチェックしていると思うので、もちろんこのやり方以外もちゃんとお教えします
一言でいうと
「感情的」「短絡的」といった抽象的な見方で自分自身を顧みて、取り除けない予想外に対する不安の増加度を減らす
です
多くの人はが「合理的」や「論理的」な知識から対策しようと本を必死に読むことはします。
しかし、この対策だけでは「予想外のことを減らす」という手段のみに目がいってしまい、抽象的に自分自身を顧みたり不安の増加度を減らすことができなくなります。
いわゆる、確率を下げているだけという訳です。
例
サイコロがあります
1・2・3・4が出るとあなたの不安度は20増えます
つまり2/3であなたの不安は20増えます
100になるとあなたは我慢できなくなり負けを認めることとなります。
ここであなたは論理的な知識を本で読んで身につけ確率(予想外のことを減らす)を1/6にまで減らせました。
(予想外のことを0にすることは不可能の為、確率0にはできない)
かなり不安が増えるスピードは減りましたがあと何回サイコロを振らなければいいかはわかりません
この例で、不安が増える確率を減らすだけではなく不安度の増加値も減らさないと行けないことがわかると思います。
何回サイコロを振らないといけないかわからない状態ではとにかく総合的に不安が溜まる速度を減らす必要があります!!
この不安増加度を知り減らすことこそ自分自身を顧みることで、それをするには抽象的な知識が必要というわけです
1 時間とともに敵も味方も疲労する
2 疲労が長引くと勝ち負けより終わらせたい気持ちが強くなる
3 投資でも感情的疲労をどう対処するか問われる