ボルカー議長

投機家は世界の破壊者!?

今まさにインフレという危機が騒がれている中、かつて世界規模のインフレーションの金融危機から世界を守った人物
FRB議長『ポールA.ボルカー』がどのような姿勢で、どのような敵と戦い、どのような行動を取ったか学ぶことで
これから起きるであろうインフレーションに対する知識を手に入れましょう!!
FRB議長『ポールA.ボルカー』とは(ホームに戻る)

今回は世界規模で活動する投機家の脅威についてです!!

みのり
みのり
投機家を舐めてはいませんか?
こんな人におすすめ

投機家について知りたい人
過去にどのような投機家の脅威があったか
投機家に対する対策を知りたい

注意

この記事は初心者の中の初心者にもわかりやすくする為、あえてFF金利やケインズ・マネタリズムなど、理解するのに非常に時間がかかる内容を削っております。
また、年月日も可能な限り省略しております。
さらに知りたい方は是非とも著書を購入の上、読んで頂くことを強くおすすめします。

 

ポイントはココ!
1 世界規模の投機家は世界経済を揺るがすレベルの脅威
2 投機家は流れを作り個人や庶民に援護射撃させる
3 かつて米ドルはゴールドを使って国々から信用させていた

 


投機家の脅威

投機家はただのギャンブラー?

投機家と聞くと皆さん「レバレッジをかけて短期間で儲けるギャンブルをする人」というイメージを持っているのではないでしょうか?

投資はギャンブルかの論争は置いておき、投機はほぼギャンブルと言っても差し支えないですね。

そして、日本でギャンブルと聞くとパチンコや競馬が真っ先に頭に浮かび、少し言葉悪くなりますが「あまり頭を使わず直感のみで判断している」という印象が強いのではないでしょうか?

みのり
みのり
日本にはまだカジノはないですから

東証という名のカジノはありますよ
先生
先生

確かに個人投機家の中には少ない材料で値動きを予測してレバレッジをかけて短期間で勝負する人はいます。

ただ、それはあくまで個人であり、1人の力はとても小さく、一人動いたところで市場にそこまでの影響はないです。
むしろ気づくことすら難しいぐらいですね

しかし、規模が大きくなればもちろん影響力は大きくなり、最終的には無視できないほどにまで膨れあがることになります。

流れを作る投機家

投資におけるイナゴをご存じでしょうか?
ある銘柄に対して大量の個人投資家が注目して一気に売買が活発になった結果、買う人が多いというだけで株価が上がる現象です。

一見株価が上がるから良いように見えますが、その買っている個人は「風向きが変わるとすぐに撤退する個人投資家」か「まだ投資に慣れてない初心者」がほとんどです。

つまり、一度株価が下がり始めると雪崩のように一気に売り逃げる人で構成されています。

上がっているときはもっともらしい理由が並べられますが、下がったときにはその理由がまったく意味無かったことがわかり、完全に後の祭りとなるのが特徴です。

中には下がっても長期的に持てば大丈夫という楽観論で誤魔化そうとするパターンもあります。

みのり
みのり
初心者はわかりやすい説明にだまされやすいので注意!

そのイナゴですが、作り出すのも終わらせるのも「ある程度力を持った投機家」なのです
最近ではインフルエンサーも含まれるとか

その犯人がある程度ターゲットの株を買っておき、あたかも正しくもっともらしい理由を公言して、銘柄を推薦します。

その後、推薦を見た個人が買って株価が上がり、またそれを見た個人がその株を魅力的思い、援護射撃としてさらに買わされます。

それが繰り返され株価がつり上がったところで、犯人はすぐさま売り抜けます。残ったのはだまされて損した個人だけです。

世界規模の投機家

これだけでもかなり危険な存在に感じますが、イナゴを仕掛ける犯人でも影響を与える範囲はあくまであまり出回っていない個別銘柄ばかりです。
言うなれば、100万円規模で一時的な株価操作ができます。

ただ、為替や商品(コモディティ)先物など規模が桁違いに大きい商品を一時的に操作するにもとてつもない資金が必要で、人気のの投資家でも言葉による一時的な印象操作が限界で、値動き操作することはまずできません
いくら印象操作できても「値動き」という真実がなければ個人も庶民も簡単には動きません

しかしそれを世界規模で行えるグループがいます。

資金も膨大で個人とは比べものにならず、弱って狙えるところを虎視眈々と探し、幾度と無く為替や国債に襲いかかりました。

上のイナゴ戦略同様、値動きを引き起こして個人や庶民に強烈なインパクトを与え、投資をしてない人にも不安と機会損失を煽り、駆り経たせて援護射撃を行わせます。

その結果、ある国の紙幣の暴落などが起き、あらかじめポジションを持っていたそのグループは利益確定して去っていきます。

みのり
みのり
それを行えるところがあるのですか?

ヨーロッパのある中立国がやはり・・
先生
先生

なにより恐ろしいのが、資金が膨大で操作が可能というだけではなく、グループの規模が大きいため、情報量や分析、弱点や心理戦といった戦略が個人の行うものとは比べものにならないレベルなことです。

投機家だからといって馬鹿にしていたら、いつの間にか国の信用が地の底まで落ちていたといことに成りかねない力を持っていることです。


投機家にケンカを売られたケネディ大統領

ドルは危機に迫っていた!?

米ドルは皆さんご存じのはずです。
その安定で強靱に見える米ドルがかつて投機家の脅威に晒されていたことはご存じでしょうか?
まあ、最近でもドル不足など問題は絶えませんケド・・

ことの始まりは1960年に大統領選挙を控えたケネディ大統領の発言でした。

ジョン・F・ケネディ大統領とは?

ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ(英語:John Fitzgerald Kennedy、1917年5月29日 – 1963年11月22日)

アメリカ合衆国の政治家。同国第35代大統領(在任: 1961年1月20日 – 1963年11月22日)。名前のイニシャルをとってJFKないし通称であるジャックJack)と呼ばれることも多い。在任中の1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺された(ケネディ大統領暗殺事件)。

大統領時代、ケネディは国内政策においては人種差別問題に真剣に取り組んだことが有名です。黒人の識字率が悪いことなどを口実にして選挙権を与えない差別が行われていましたが、ケネディはこれに反対して新しい公民権法を成立させようと尽力しました。
この新しい公民権法はケネディ暗殺の翌年、1964年に制定されました。
また宇宙開発においてソ連に後れを取っていたアメリカを憂慮して「アポロ計画」を宣言。「1960年代中に人間を月に送り込んで帰還させる」としました。アメリカはこの宣言がなされてから8年後の1969年に、これを実現させています。

外交面では、ソ連との冷戦が激化の一途をたどる時代に、ケネディは大統領を務めていました。
1962年10月に、ソ連がキューバに核ミサイルを持ち込んだことで、キューバ危機と言われる第三次世界大戦勃発の最大の危機が訪れます。
1962年10月22日に、ケネディはキューバの周辺海域を海洋封鎖すること、攻撃のためのミサイルは何の利益ももたらさない、ということをソ連とキューバに伝える演説を行いました。海洋封鎖は2日後に実行されました。
ソ連は、アメリカがキューバに侵攻しないことと引き換えにキューバのミサイルを撤去することを表明し、何とかキューバ危機は収束しました。
キューバ危機におけるケネディの一連の対応は、失敗の多かった外交施策の中では全面的に成功をおさめ、後の時代まで称賛されるものとなりました

「ドルの価値を守る」
「ゴールドとドルの交換を35ドルのままにするよう努力する」

実はこの発言までドルが危機に迫っていたことは水面下での出来事でほとんどの人が知りませんでした。
ですが、この発言によりドルに危機が迫っていたことを多くの人が知ることになります。

もちろんこれは悪手ではなく、元々ドルに危機が迫っていたので早めに対処しようというケネディ大統領の考えでした。
しかし、これによって海外の大規模投機家達に「ドルは弱っている」という事を知らせてしまい、次の標的としてドルが狙われることになりました。

つまり、米ドルVS投機家の戦いが始まることとなったのです

ドルの値段は固定されていたが

今では考えられないと思いますが、昔の貨幣は1ドル100円が1ドル200円に値上がりしたりと、価値が変わることがない固定相場制でした。

これは物価などをできる限り安定させるなど多くのメリットがあります。
逆に言うと安定させる為に自国の貨幣が大量に買い込まれたり、売られたりした場合その国の政府が安定させなければいけません

もちろん投機家に攻められ続け、政府の資金が底を尽き負けた場合その国の紙幣は紙くずもしくは超高騰化して国民の生活に大打撃を与えることになります。
そうなって得するのは作戦を建てた投機家と、それに援護射撃を行った個人達です。

物価の安定の為に貨幣を安定させる。これが下のトリレンマ図でいう「①為替レートの安定」が欲しいので「b 完全な固定相場性」と「c 完全な資本規制」を受け入れる為の体制を取ってました

みのり
みのり
う!図を見ると頭が!

こら!逃げない!!
先生
先生

ドルは信用できないがゴールドは信用できる

今ではドルが世界の中心として認識されていますが、昔はドル自身に対する信用はあまりありませんでした

それでもドルを世界通貨として認識してもらうために使ったのがゴールドでした。

アメリカは世界の国々にこのような約束をしました。
「35ドルをいつでもゴールド1オンス(28,35g)と交換する

貨幣を持っているときの最大の懸念である、完全な紙くず化を防ぐための約束ですね。
これが金本位制度というものです。

ドルは信用できなくてもゴールドなら信用できる。
Aさんは信用できないけどBさんが担保になってくれるなら信用できるということです。

 

ゴールドの優位性は言わずもながですので省きます。

みのり
みのり
これだけ見ると今でも続けるべきの制度に見えますね

ゴールドが高騰するとドルの価値が落ちる

金本位制がすばらしい制度に見えますが大きな弱点があります。

それがゴールドの価値が上がるとドルの価値が下がることです。

リンゴを購入を例にお話しましょう


リンゴ1個1ドルとします。
35ドルあれば35個買えます。そしてゴールド1オンスあれば同じく35個買えます。

しかし市場でゴールドが不足して政府管轄外で皆が40ドルでゴールド1オンスで交換し始めるとどうなるでしょうか?

35ドルで依然リンゴ35個買えます。
しかし、政府に35ドル渡してゴールド1オンスに交換した後、政府管轄外市場でゴールドを売ると40ドル手に入ります。

まさかの35ドルそのままならリンゴが35個しか買えないのに、ゴールドを介するとリンゴが40個買える事になります。

35ドルを持つかゴールド1オンスを持つか
欲しがる人が多い方が価値が大きくなり、不人気の方が価値が下がります。

そしてもちろんゴールド1オンスを管轄外で売れば40ドルになるので
「35ドルを持つかゴールド1オンス」どちらが人気か、それはもちろんゴールドです。

これを防ぐのはただ一つ、ゴールドを不足させないためにアメリカが十分なゴールドを確保し続けて、ゴールドの値段を上げさせないことです。

なのでゴールドを買い占めて、市場のゴールドを不足させればどんどんドルの価値が減り続け、庶民もドルよりゴールドを買いに走り、さらにゴールドの価値が上がり続けることになります。

それを投機家が見逃す訳がありませんでした。

みのり
みのり
ゴールドのゲシュタル崩壊!!

本紹介

伝説のFRB議長 ボルカー 
ウォール街を追い詰めている「ボルカー・ルール」。その成立までに何があったのか? ポール・ボルカーはニクソン・ショック、ハイパーインフレなどの金融危機から世界を守り続け、どのような金融政策が経済を発展させるかにその身を捧げた、伝説のFRB議長である。ケネディ、ニクソン、カーター、レーガン、そしてオバマまで、米国の大統領が頼りにしてきたのがボルカーであり、スミソニアン協定、レーガノミクス、プラザ合意など、国際金融の歴史的瞬間には、いつも彼の姿があった。

 

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