どもです!!みのりです!!
本から投資法を学ぼうのコーナーです!!
株価を気にするようになった「脱投資初心者」の為、動じない投資マインドを作っていきましょう!!!
今回常に嵐吹き荒れる海運業界の独立独歩の道を歩み大きな夢を持ち、華々しく倒産した三光汽船の倒産から投資法を落とし込んでいきましょう!!
前回の記事はこちら
1 ギャンブルには勝ち続けることができない
2 「不確実性の高さ」×「起きた時のインパクトの大きさ」
3 投資・投機共にずっと勝ち続けられると思わない
目次
独立独歩の三光汽船
2度にわたる倒産
三光汽船という企業名は皆さんどこかで見たことはあってもどんな会社だったか思い出せないのではないでしょうか?
見たことあるというのはおそらくニュースで見たことがあるからだと思います。
それもそのはず、三光汽船は1985年と2012年、2回に渡る倒産をしているのです!!
当時の負債は5200億と1600億と日本でも大型倒産の一つです。
トリッキーで一匹狼
三光汽船の始まりは1934年、戦争中の日中間の貨物船事業から始まり5隻の貨物船を発注して多大な利益の元出発しました。
その後衆議院選挙にも進出し経営も盤石なものとして政界の関りが三光汽船の原動力となっています。
しかし、1964年に多くの海運会社が国家の助成の下で再編参加したのに対し、三光汽船だけは自力造船を行うなど「海運界の一匹狼」と呼ばれるほどトリッキーな道を歩みました。
このやり方は日本高度経済成長期においては制約を受けずスピーディかつ大胆な意思決定につながり大きく飛躍させます。
さらに、この飛躍を加速させたものがあり、それが短期間の間に新たに増刷した大量の三光汽船の株券を第三者(既存株主以外)に買ってもらうことによる「増資(資金調達)」です。
あまりに短期間に行われた為世間から「株価のコントロールだ!!」とも批判されました。
株も船舶も安いときに買って高いときに売る
三光汽船が増資で得た資金は大量のタンカーと株式購入に使われることになりました。
投資は安いときに買って高いときに売るのが基本です。
三光汽船は株式はもちろん船舶でも同じことを行いました。
つまりタンカーも安いうちに大量購入してさらに増えるであろう船舶需要にいち早く備えるというものです。
当時はインフレの進行と投資ブームもあり造船界の盛り上がりを受けて三光汽船は大きく成長しました。
ここまで読めばわかると思いますがこれは「さらなる需要がある」という前提のものでした。
2回の大きな賭け
そして起きたオイルショック
1973年、好況に溢れる社会に第一次オイルショックと言う嵐がやってきます。
もちろん海運業にも影響が襲い掛かり一気にタンカー市況の低迷が始まりました。
そして三光汽船が見込んでいた需要は一気に落ち込みタンカー過剰が表面化しました。
船舶依頼も半数以上がキャンセルになり、増資や株式などでリスクを取って購入していたタンカーも利益を出すことが出来なくなりました。
ここで気を付けてほしいのがタンカーが不要になったからといってすぐに売ることは困難だどいうことです。
今の株式は電子情報かつインターネットと売買費用も購入者も低コストで見つけることが出来ます。
しかし、タンカーはそうはいきません
当時の株式は紙だとはいえ、巨大なタンカーに比べれば処理の難易度は桁違いです。
株式は最悪紙くずとして捨てることもできますが、タンカーは捨てるに捨てられません。
だれかに売ろうとすればただでさえ低迷しているタンカー事業の中、格安でも買ってくれる人を見つけてそこまで渡さないといけません。
もちろん仲介手数料など費用も増大です。
処分しようにも解体するだけでも大変な費用が掛かり、保管にも維持費がかかり続けます。
処分が大変な物は株式とは比べ物にならないほどのコストがかかることを覚えてください
起死回生の策(オイルショック編)
オイルショックの影響も受けて三光汽船は560億の経常損失を計上します。
このままではいけないと賭けに出ました。
それが、皆が大型のタンカーで勝負しているので、我々は小型船を81隻作り、小型船での事業を展開する!というものでした
さらにタイミングを見て小型船も売って利ざやも稼ぐまさに一石二鳥の逆転プランです。
もちろんこれもかなりのリスクを持ったギャンブルでした。
今まで一匹狼で逆張りの戦術は上手く行ったのか!?
もちろんダメでした。理由は単純、世界中の海運会社が小型船にシフトしていたからです。
逆張りしたはずの三光汽船は結果的に船舶過剰を加速させてしまい1985年に5200億の負債の元倒産しました。
起死回生の策(リーマンショック編)
一度倒産した三光汽船ですがリストラなどを行い、更生計画を終結させて復活させました。
その後遅れを取り戻そうと世界的な船腹増加の下リスクを取って事業の急拡大を行い、
見事2008年には2000億円を超える利益も達成して再び注目を浴びる結果となったのです!
今回こそはリスクを取った戦法が功を奏しました!
そしてリーマンショックが訪れました!!
燃料費の高騰に、円高による為替差損、なによりリーマン前に発注していた案件が一気になくなってしまいました。
遅れを取り戻すためにリスクを取っていた三光汽船、利益計上後もすぐに安泰経営とはいかず、利益率の維持のためにリスクを取ったままでした。
こうして再建努力も実りきらず三光汽船は1600億円の負債を抱えて2回目の倒産となりました。
まとめ
1 ギャンブルには勝ち続けることができない
2 「不確実性の高さ」×「起きた時のインパクトの大きさ」
3 投資・投機共にずっと勝ち続けられると思わない
今回はここまで!次回投資法への落とし込みを行います!!
ではでは、次のブログでお会いしましょう!!!!
今回の本はこちら↓